Seal the Love! Seal the Forever! -10-

2014年7月21日(月曜日)

ちょっと間が開きましたけど、気が向いたら書いてる感じなのでご容赦ください、11回目。オープンβ開始から約一ヶ月。ルビー噴水のチートを技術ではなく、GMの事後対処で凌いでいたその頃……

雑誌のインタビューは、鍋を囲んで和やかなムードで進められた。インタビュアーはアバター原田氏とN氏の2人。アバター原田氏は、今更説明も不要なほどのMMO界での有名人だ。ぼくなんか比べものにならないほどMMOに造詣が深く、特にUltimaOnlineやDAoCでも名を馳せていたプレイヤーでもある氏は、β以前(韓国語版しかなかった時代)から『SealOnline』を猛プッシュしていたし、シィルツの中でプレイヤーが抱えている不満や改善点などについても、氏のもとにかなり寄せられていた。

気軽にインタビューを受けたかったところだが、そういった氏のプロフェッショナルなツッコミに緊張せざるを得なかったし、例のチートのせいで、ぼくやGM_Kabraはそんな場でもゲーム内のことが気がかりで仕方がなかったのである。

10年後の今であればそこそこのスペックのPCを、電源を借りながら、かつ無線通信なんか使っちゃったりしてチェックしつつ、なんてこともできたはずだ。だが、2004年初頭である。モバイルの手頃な回線といえばAirH”の32Kbpsパケット方式の使い放題や、あるいはP-in Compactのような回線交換方式64Kbpsだったけれど、全然ネトゲできる感じじゃなかった。

そんなわけで、いつ浅草橋から電話がかかってくるかみたいなことが頭から離れないまま、『Seal Online』内の話や、今後のアップデート予定について、あるいはGMイベントの今後についてを語っていったのだった。

いいタイミングで、座敷にぼくの好物が運ばれてきて、テンションMAXに。それは殻付きの生牡蠣である。これが大きな木枠の容れ物に砕いた氷が盛ってあって、そこにいくつも積まれている感じで運ばれてきた。

ところでぼくの性格なのだけれど、こうやって鍋だとかみんなで突つくとか大皿に載ってくるとか、そういう状態の場合は躊躇なく好きなものを食べる、という癖がある。ぼくも大人なので、一応みんなが食べたかなぁ、という頃に箸を伸ばすようにしているのだけれど、それは、そうでもしなければ最初から最後まで(他の人が箸をつける前に)食べ終わってしまうみたいなことが発生してしまうからである、子供か。

この時も、それぞれが一つずつ手にとって食べるのを見届けてから食べたわけだが……
「うまいっすねー、これ!」と食べている姿を見て、アバター原田氏も、GM_Kabraも「澤さん、残りを食べちゃっていいですよ」という。「え、いいんですか」とか言いながら、まったく遠慮なく完食。たぶん、1人3つずつとかの量だったので、7〜8個は食べたということになる。

普段貧相な一人暮らしだったものだから、食べられるときに全力で栄養補給するみたいな、そんな至福でもあった。
そして、予想通り途中で浅草橋(そのときはGM_Teraphyであったと思う)から電話があり、またルビー撒きが発生したようで、二次会(汗)はナシということでお二方と別れ、ぼくとGM_KabraはGBMの事務所に戻ったのである。

戻った頃には、おおかたルビー撒きの対処は完了していて、「慣れてしまうのね…」的な感想を抱きつつ、万一に備えてぼくは簡易ベッドで眠り、夜勤のGMが明けて帰る頃に起こしてもらうことにした。

そのとき、簡易ベッドの場所といえばオフィス内でもゴミ袋を積んである隅で、ゴミ袋っていうのは45リットルの大きいやつが2個3個みたいな、そりゃ十数人が出入りしてコンビニ弁当だなんだのガラが出まくるところなわけで、次の収集日まで一週間待てない状況のものを積んでいたわけだ。パーティションで囲って隠していたのだけれど、そこに簡易ベッドもあった。たぶん山とかでキャンプするとき用のやつだ。アルミかなんかのパイプにナイロンの頑丈な布が張ってある。

ぼくはどこでも寝られるのと、ここに出入りするようになってからそれなりに疲れも溜まっていて、そんな環境でもぐっすりと熟睡してしまったわけだが……

次の昼、ぼくが目覚めたころ、GM_Gazzaが「澤さん、昼、どうします? 自分、ホカ弁買って来ますけど?」という。
「あれ? もう昼? 寝すぎたごめん…」と言いかけて、「あれ?GM_Kabraが来たら交代なんじゃないの?」と聞くと、
「それがKabraさん、来てないんスよねぇ。昨日呑みすぎたんすか?」と。
そんなに飲んでたかなぁ、と思いながら「まあ、ぼく、起きたし、あとは見とくよ?」と言うと、「大丈夫ッス。メシ食ったら適当なところで帰りますから」という。なので、ぼくは、のり弁を頼んだ。

なんでその時にのり弁を頼んだなんて細かいことを覚えているのかというと、のり弁のフライ、油が悪かったのかすごくマズかったからである。記憶にあるうちで最悪のレベルだったのでとても良く覚えているし、このハプニングが起こったときだったので忘れられなかったというのもある。

ぼくにのり弁のマズさを忘れられなくしたハプニングとは、さらに翌日になって、丸一日連絡をくれなかったGM_Kabraからの電話で明らかになったのである。

「澤さん……すみません、病院に行ってまして……胃液が全部出ちゃったみたいで……澤さんは、大丈夫でした?」
「は? 別になんともないけど。ひょっとして、何か、当たった?」
「医者が言うには牡蠣じゃないかって。でも、一つしか食べてないですし、澤さんたくさん食べてましたよね……」
「あー、いや、とにかく休めよ。こっちはなんとかすっから」
「すみません……」

そして、気になったぼくは記事用のアイテムデータをFAXで送るついでに、アバター原田氏の編集部に電話を入れた。
「あの、GBMの澤と言いますけれど、原田さんはいらっしゃいますでしょうか?」
「すみません、昨日より入院しておりまして……」
「!? あ、あっと、では、Nさんは……」
「おそれいります、Nも昨日から出てきておりませんで……」
電話口の人はとても申し訳なさそうに言う。ぼくはとりあえずFAX送ったのでチェックしてほしい旨だけ伝えて電話を切った。

4人中、3人が牡蠣に当たった。みんな1つか2つしか食べてない。そして7つは食べたぼくが、ピンピンしている…… むしろのり弁のフライがマズかったみたいなことのほうが食のトピックとしては上位に来ている昨今。

このことがあり、Kさんと相談して、GM募集を急遽行うことになったのであった。
応募してきたのは、後にGM_Etude、Asyuramu、Astlaiaとなるメンバーである。(ExusiaiとGomatenはもうちょっと後だ)
そして人員の増強とともにオープンβテストも(ろくにアップデートがないまま)佳境を迎えつつ、並行してポータルサイトの協力もあって広告なども少しずつ出せ、「しるしるシール」という……そのあたりのことは次に書くことになると思う。

(気が向いたら、続きを書きます。)

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Seal the Love! Seal the Forever! -9-

2014年6月29日(日曜日)

例えば、あなたが「この盾はね、どんな矛でも防ぎますよ」って商人に言われたら、とりあえず、木の枝とかでつついたり、軽くコンコン叩いたりするじゃないですか。「どんなものでも貫く矛」で試す前に。

で、コンコン叩いたら、すぐ壊れて何も防げなかったんですよ。某プロテクト、ってソフトウェアなんですけどね。そこから始まる10回目の思い出話記事です。

なにしろ告知に「絶大な」とか書いちゃったわけです。新たに組み込まれたこの仕組は完全にチートを防ぐ、と。こいつは威力があるぞ、と。

……ところが、そこに待っていたのは、「全画面モードでしか起動しない『Seal Online』」と、「起動中のアンチウィルスソフトやメッセンジャーソフトさえ叩き落とそうとして巻き添えを食らってOSが落ちる」という阿鼻叫喚の地獄。

そして、すぐ2ちゃんねるで突破方法が晒されましてね。晒された手順でさらっと突破できるようなチートに慣れたプレイヤーに対してはなんの効果もなく、突破方法なんか知るよしもない(2ちゃんねるなど見もしない)フツーのプレイヤーが大迷惑。PCのOSは落ちるわ、アンチウィルスソフトとコンフリクトして固まるわ、挙句の果てに起動しなくなるわ、って一番損をしたっていう。

この某プロテクトが破られた当時の手法は、まず全画面モード固定になっているのを、ウィンドウモードができるようにする(窓化)ところから始めるというものだった。これは何か起動時のコマンドラインに引数をつけるんだったか、バイナリエディタでどこかのアドレスを潰してチェックしないようにするんだったか、その両方だったかで回避できて、ウィンドウモードにできたら、起動している某プロテクトのプロセスをKillするとかだった気がする。

プロテクト用ソフトウェアだからといって、他のソフトを叩き落とすとかほんと行儀悪いんだけど、この時のバージョンは案外あっさりと自分自身が叩き落とされるみたいなお茶目なソフトで、それはそれとして後にプロセスもKillできない行儀悪さMAXのバージョンにまで行き着くと、起動時にバーン! って盾だか矛だか(攻撃しないんだから矛ってことは無いか)のロゴまで出てくるんだけど、行儀が悪かろうが毒をもって毒を制すぜ! そこまでしないともはやチートの一個や二個防げねーんだぜ、ドヤァ! という開き直りが感じられてある意味潔い。

そんな感じで試しに2ちゃんねるに書いてあった方法をやったら、すんなりできてしまって、気持ち的には困ったんだけど、前回書いた「監視キャラ」はGM用のクライアントソフトではなく、通常のクライアントソフトで起動していたので全画面強制じゃなくなって安心したっていう。升erが某プロテクトの回避方法を編み出したおかげでGMの通常業務が助かったっていう、あ、これで問い合わせにくる升er報告を読みながら起動できる、ってね。どんな本末転倒だよ!

余談ですけど、ぼくの大好きな仮面ライダーという作品は、ショッカーという悪の組織に改造された本郷猛という男が、人間では無くなってしまった悲しみを背負いながらも、その力をもってショッカーをはじめとした悪を打ち倒す物語なのですが、主人公も倒すべき組織(の怪人)も「同じ源泉をもった力を振るう」という特徴があります。升erから得た力(解析した窓化)をもって升erを追い詰めるGM! 超かっこいい!

……って言いたいところなんですが。

ある晩、問い合わせに「シロンでチートが暴れてる!」っていう通報があったんですね。ライムやエリム(どちらも人が多く集まるところです)ならともかく、シロンはコミュニティというよりほぼクエストやダンジョンのために訪れる場所だったので、監視キャラは立ててなかった。なので、直接GMキャラで赴くわけだけれども……

はて、チートをしているキャラクターもいなければ、その痕跡であるルビーや水晶を撒いた跡もない。一体どういうことなんだろう、と近くのプレイヤーにチャットで声をかけたりしていると、
「いたいた」
とチャットで声をかけられる。
「あ、通報していただいた方でしょうか。あの、チートしているキャラは一体どこに……」

GM自体が珍しいこともあって、いろんなキャラが集まってきた。
みんな初期装備だ。初心者さんには珍しいのか、な、と思ったその時だった。
「ティロリンッ!」という音がし、それを合図に、ぼく(GM_Sionic)を囲んだキャラクターが一斉に、ルビーを噴出しはじめた。

GMを囲んでの大ルビー噴水祭。
一言で言えば、ニセの通報に「ハメられた」。というわけだ。
そう、初期装備のキャラばかりだったのはBANされても惜しくないように、わざわざこのために作ったキャラだったのだ。

「祭だワッショイ!」
「ルビー祭だ!」

チャット欄が心ない言葉で流れていく。
大慌てで、ぼくはルビーを撒き散らしているキャラにカーソルを合わせてはキャラ名を書き留め、GMツールを起動し、あるいはGM_Bangdollに依頼し、エンジニアにもお願いして、キャラを叩き落としたりしていった…… 数日前と同様、再び涙目になりながら。

その後も某プロテクトは何度か強固になって(実装され直して)いったのだけれど、オープンβ中に「ルビー噴水」を根絶することは、確か、できなかった。根絶ではなくて、事後対処が早くなっていったという感じだ。だが、少なくとも、数は減った。技術の勝利ではなく、こまめに対応していったことにより、チートをする「コストが上がった」から減ったというわけだ。

とはいえ、いつルビーが噴き上がるかわからない。例の「一桁台」のGMがフロアから一人もいなくなるのは避けたいところである。しかし、そういう時こそ試練はやってくる。

「澤さん、今度雑誌の取材があるんですけど、一緒にどうですか、鍋つつきながら対談みたいな感じってことなんですけど、澤さん喋るの上手いから」

GM_Kabraからの誘いである。ぼくは喋るの上手いかもしれないけど、GM_Kabraはぼくを使うのが上手い……

実は、大手PCゲーム雑誌『LOGiN』は、クローズドβ以前から『Seal Online』を猛プッシュしてくれていて、広告費にお金が回るような状況じゃなかったGBMにとって、大事な誌面をSealに割いてくれるメディアは稀有な存在だった。
冗談やお世辞じゃなく、足を向けて寝られないとさえ思っていたし、実際、ぼくの家から当時エンターブレイン社のあった三軒茶屋は北の方角にあって、ぼくは北枕に直したのだ。

そんなわけで、浅草橋から総武線で西へ何駅かの街で、鍋をつつきながらの取材が行われた。
浅草橋に残ったのはGM_TeraphyとGM_Bangdoll。夜勤でGM_Gazzaが出てきてGM_Seraphimと交代、という段取りだったと思う。万一、ルビーが噴き上がっても万全だ。

しかし、予想を超えたある事が起こり、GMチームは危機を迎えてしまうのである……

(気が向いたら、続きを書きます)


Seal the Love! Seal the Forever! -8-

2014年6月27日(金曜日)

さて、『Seal Online』日本版の運営終了をきっかけとして、10年前のことを(今後思い出すきっかけは無いだろうし)書き綴っておけというコンセプトで、気が向いたら続きを書くなんて言いながら9回め。毎日何かしらの文章を書く、という習慣付けをやりたかったのでそれなりにやってます。

-7-の記事に画像を一つ追加しておきました。2004年の成人式イベントのときのスクリーンショットです。縮小してしまったのであれですが、中央付近に「モバイダー」というキャラがいるのが、ぼくです。

そして、今このブログエントリ、昨日公開したかったんだけど、丁度、書いてた2014年6月25日の報道で、オンラインゲームに対してのチート行為を行っていた三人組が「電子計算機損壊等業務妨害」で書類送検された、というのがあったんですね。ネットでも話題になってた。(下記リンク参照)

「サドンアタック」でチートツール使用者3名が電子計算機損壊等業務妨害容疑で書類送検

で、そもそも今回は「ルビー噴水」のことがネタなわけで、ちょっと日和って、一日おいて見なおしてからヤバい部分は編集した(笑)。なぜなら、当時実際にチートが蔓延したときに「どうやってそれを再現し、防いだか」みたいなことを書いたわけから、あんまし細かく書くと、それに興味をもった人が(いないとは思うけど、まったくいないとは限らない)他のゲームで真似したらイヤじゃん、っていう。お、塩肉、案外常識人じゃん。いやぁ、それほどでも(何の寸劇だよ!)。

ルビーチートをテスト&ルビー回収してたときのスクショ

ルビーチートをテスト&ルビー回収してたときのスクショ

そんなわけで、画像は、「ルビー噴水」事件のあったあたりの日付のスクショです。アイテム欄がルビーで埋まっているのは、生成する実験をしたり、あるいはフィールドに転がっているルビーを回収したから。

知らない人もいると思うので一応ざっくり書いておくと、『Seal Online』の世界で、武器や防具といった装備品をアップグレードするためには、水晶やルビーといった宝石アイテムを消費する必要があったんですね。そして、装備品の能力値が上がり、名称に「+1」やら「+3」やらの数字がついていく。水晶でアップできる「+3」までは、失敗自体がなかったりするのだけれど、その先にルビーを使うようになってからは、失敗したり、失敗と同時に段階が下がったりという要素が加わり、まあ、簡単に言えば「なかなかうまくいかないのでルビーばかりが消費されていく」みたいなシステムになっていた。

プレイヤーキャラ同士で取引をすることができる「露店」なんかでも、ルビーは高値安定という感じで、需要は無くならない。なんだかんだと手に入りにくいということ含めて「バランス」が保たれているこの世界で、ザックザクとルビーが「出土」してしまったら……

突然ですが、Windowsというのはマルチタスク可能なOSです。PCのウィンドウでソフトウェアに何かを処理させながら、別のウィンドウでもソフトウェアを動かし…… ということが可能。つまり、『Seal Online』のウィンドウでゲームをしながら、別のウィンドウでSealの通信内容を改ざんすることも可能、というわけでして。

初期の『Seal Online』はウィンドウモードでの起動ができるようになっていたんですね。そして、別のウィンドウで起動したツールによって、Sealが行っている通信内容を書き換える(具体的にはSealの操作と通信を対応させるマクロを組む必要があった)ことで、サーバーに虚偽の状態を通知し、誤動作させ、プレイヤーに有利なゲーム結果(アイテムを獲得した、敵を倒した、など)を引っ張りだすことができたっていう。

画像は縮小したのでちょっとわかりづらいかもしれないけれど、チャット欄が「a」という一言で埋め尽くされている。これは「a」と発言したら、ルビーが自分のキャラから「ティリンッ!」とドロップされ、それを自ら拾うという一連の動作でDUPEしていたからなんだけれど。

さて、単に一人のチーター(「升」とか「升er」って表記したのも懐かしい)がコソコソやってたならここまで大きな問題にならなかったのだろうけれど、あまり良くない意味で、これらは『Seal Online』の歴史に刻まれる事件になってしまったのだ。

このDUPE、あまりに簡単にできてしまいすぎた。2ちゃんねるにその方法が書き込まれるや、多くの人がやり始めてしまった。しかも、ルビーを手に入れて『Seal Online』内で使ってどうこうしようというよりも、愉快犯的に人が集まってる場所で「ティリンッ!」「ティリンッ!」「ティリンッ!」と連続DUPEをするタチの悪さ。

このとき、ルビーがキャラの頭の上から連続して湧き出るように見えるから「ルビー噴水」。このキャッチーでセンセーショナルな言葉が、もはや歴史に刻まれるに値する事件であることを示しているとは思わないかね? (思わねーよ!)

「ルビー噴水」が「発生」すると、問い合わせのメールがドンドコやってくる。もちろん、人が多い場所に立たせっぱなしにしておいた「監視キャラ」の画面内にも、そんな感じでルビーが撒かれている状況が表示される。敗北を感じる瞬間ですわ。

先日も書いたけれど、GMコマンドで「透明になる」なんて便利なものは当時なかった(あるいは日本の運営には教えられてなかった)から、何台かのPCで「監視キャラ」を立ててたんです…… そして、もう一つ言えば、キャラを蹴りだすGMコマンドも同様で…… そんな感じだったのでチートをしているキャラが発見できても、対応が後手後手に回ってしまう状況。

チートしてるキャラは、GMが現れるとスッとログアウトしてしまうので、「監視キャラ(一般キャラ)で近づいてキャラ名を確認する」→「キャラ名をぼくやGM_Kabraに大声で伝える」→「そのキャラのパスワードをGMツールから強制的に書き換える」→「エンジニアがデータを操作して、そのキャラクターを強制ログアウトする」なんてまどろっこしいことをやっていたわけだ。でも、プレイヤー一億総チーターみたいな状況で、そんなので追いつくわけもない。

技術的にチートが塞がれない、GMたちもすぐにチートキャラを追放できない、まごまごしているうちに、当時ポピュラーだった2ちゃんねるのスレは運営批判でいっぱいになり、チートに嫌気がさしたプレイヤーが辞めていく……

監視キャラをトコトコ走らせながら、ルビー撒いてるヤツの名前をメモして、エンジニアに伝える。一体何なんだこの非効率なチート対策は。こんなことをしていたら『Seal Online』は数日でメチャクチャになってしまう。

そうやって、涙目になりながら「ルビー噴水」を追いかけるGMたちを見て、立ち上がった男が一人、いた……
そう、あの「-Zero-」で登場した、サーバーを韓国の開発元まで担いで行った(担いで行かされたとも言う)エンジニアのCさんである。

エンジニアのCさんは、それまでチートキャラのキャラ名をコマンドラインで入力しては「叩き落とす」というのをやっていたのだが、おもむろに画面内にコンソールのウィンドウを4×4の16個、出現させた。
16個のウィンドウは、1-1、1-2、2-1、2-2(当時は2サーバー、各2セレクトであった)のそれぞれ4つの区域を示している。1つの区域はなにかというと、いくつかのフィールドや街やダンジョンが束ねられていて、まあ、まとめて管理してるわけだ。逆に言うと、「マップ落ち」をする場合は、この区域ごとに落ちるって寸法。

で、この16個のウィンドウに、それぞれどのキャラが何をしたみたいな通信が、ダーッと流れる(いわゆるログですね)。それこそ同時接続は1万人はゆうに超えていたので、すごいスピードで流れる。

「ルビー噴水」が行われるときは、特徴ある文字列の固まりがこれまたダーッとやってくるから、それをエンジニアのCさんは目で追って、もう1基のPCでカチャカチャとコマンドを打ち、そのキャラクターを「叩き落とす」。つまり、GMがゲーム内で目視して、ってのをふっ飛ばしたわけだ。そして1時間ほど経って……

「ほとんどチト、見えなくなりました」とエンジニアのCさん。

もぐら叩きもいいところのイタチごっこをやって、チートしていたプレイヤーも諦めたというわけだ。「すごいよCさん!」

だが、その平穏も長くは続かなかったため、翌朝、ついに「あれ」が登場することになる。そう、「絶大な」効果を発揮すると鳴り物入りで『Seal Online』に組み込まれた…… 「nProtect」、である……

(気が向いたら、続きを書きます)


Seal the Love! Seal the Forever! -7-

2014年6月25日(水曜日)

書けば書くほど思い出すけれど、何らかのトリガーがないと、思い出せないこともある。そんな8日目。

例えば、GMは内々に番号が振られていて、それを思い出したのは今しがただ。GM_Kabraが01、GM_Bangdollが02、そしてぼくが03。つけかたのルールは忘れてしまったけれど、ぼくよりも前からGMをやっていたGM_Seraphimは10番でGM_Teraphyが12番だったので、入社順でつけているとかではなかったのだと思う。

さらに、芋づる式に思い出したことがあって、日本版のGMはオープンβ時に、いわゆる「GMコマンド」というやつを開発元からほとんど知らされていなかったという事実がある。「GMコマンド」というのは、GMがキャラクター操作を使うときにだけ使える特殊なコマンドだ。これが2つしか、知らされていなかった。

当時、開発元は「まだ日本の運営チームは信用できないから」と言っていたみたいで、そんなことをGM_Kabraが教えてくれた。「ハァ?」って感じだ。運営するのに必要なコマンドが知らされないというのは、信用とかそういう問題とは別次元の気がするが、とにかく2つだけ。

2つのコマンドは、「座標を入力してそこへGMが移動する」ものと「キャラクター名を入力してGMのところに呼び出す」もの。この2つで何をしろ、と思うかもしれないが、なかなかどうして、そこそこの使い方ができた。

例えはよくないかもしれないが、チートをしたプレイヤーに対してBAN(アカウント停止)的なことをするために、まず「ザイドの端っこの座標を入力してそこへGMが移動」した後、「チートしたキャラクター名を入力してGMのところに呼び出す」とする。そうすると、呼び出されたキャラクターはそこ一帯から出られなくなる。

知らない人のために補足しておくと、ザイドは雪に囲まれた街マップであり、端っこは小高い山状になっていて、通常は登ったり降りたりすることができない。正式サービス後はイベントの待機場所などとして伝統的に使われるようになっていたが、もともとはザイドの端が、いわゆる「監獄」として懲罰的な使われ方をしていた、というわけだ。

ザイドの端に呼び出されると、そのプレイヤーキャラはログアウトしたあとにログインしなおしたとしても、辺り一面の白銀の世界をウロウロするしかないし、チャットの文字も街には届かない。

そういう飼い殺しみたいなことをやっておいて、一段落したら「GMツール」で「対象のパスワードを変更する機能」を使ってしまえば、二度とログインできなくなる。ほぼBANみたいなものだが、まあなんともまどろっこしいやり方をやっていたものだ。

だが、一人二人ならまだしも、何人もが悪さをし始めると、そんな手間のかかるやり方ではまったく対応ができなくなる。

「GMコマンド」とは別に専用ソフトで「GMツール」というものがあった。このツールを起動すると、これにもログインする必要があって、ログインしたGMによって(GM番号によって)使える機能に差が出る仕組みになっていた。権限分けがされていたのだ。

しかし、この権限分けもあまり実際の運営業務に則したものにはなっていなくて、例えば「プレイヤーが今どんなアイテムを持っているか見る」という作業があったとする、チートキャラの所持物を調べるというような地味な作業だ。GM番号が二桁台のGMがそういう作業をしようとしても、ツールはうんともすんとも言わないので、一桁台のGMに頼んで見てもらうしかない。一桁台のGMは生息数(汗)が少ないので、そこで作業が止まってしまうこともあった。

かといって、GMをみんな一桁台の番号にしてしまうと、「アイテムを発行する機能」「BANする機能」「対象のパスワードを変更する機能」その他の、操作を間違うと致命的になってしまうような機能もセットで使えるようになってしまう。「閲覧のみ」という権限がなかったわけだ。まあ、そのへんは開発ポリシーでしかないので、何が良いというのでもないのだろうが、それにしても不便極まりなかった。

そういう改善点が明確にありつつも、運営ツールはあまり更新されなかったので、その後Webエンジニアがデータベースのコピーから、プレイヤーのデータを閲覧したり、統計や過去のログをある程度とれるようにしてくれた。リアルタイムで動いているサーバーとはタイムラグがあったが、調査業務などには充分すぎるくらいだった。開発元に黙ってそんなの作っていいのか、というところではお互い様か、と思っていたけれど(汗)。

Seal Online2004年成人式イベント

Seal Online2004年成人式イベント


そして1月12日、成人式イベントでは会場に多くのプレイヤーが集まり、いわゆる「マップ落ち」が頻発したことで大変な混乱が起こった。

最終的には「GMツール」を使った全体告知とアイテム(セゲルだったと思う)配付などが行われたが、これにも問題があって、ツールからある一定以上のプレイヤーに何かを配付しようとすると、ツールが途中でハングアップするという、よくわからない状態になった。

しかも、途中で異常終了したように見えても、残ったプロセスが律儀に配付を続けていて、「あ、落ちた!配りなおさなきゃ!」をやると、二重に配ってしまうことになる上に、異常終了だと配付に関するログも出てこないという素敵仕様。お決まりのように、テストサーバーでのチェックでは出てこなかったんだこの問題が。

そういうトラブルも含め、運営用ツール類もβテスト期間なのだと言ってしまえばそうだが、テストされていたのは運営メンバーもまた然り、なのである。

成人式イベントの反省を活かすという意味でも、汚名返上のGMイベントが開催されることになった。
プレイヤーをひとところに集めてはマップ落ちしてしまうので、色々な箇所をスタート地点にしてGMが先導し、フィールドに一定数以上の人数が留まらないようにしながら移動していく、という「マラソン」イベントである。

「澤さん、GMネーム決めてもらっていいですか?」マラソンイベントを二日後にひかえ、GM_Kabraは言った。
「GMネーム? なんで? サポート返信だったら、借りてるIDで間に合ってるよ?」
「今度マラソンイベントをやろうとしてるんですけど、時間的に一人足りなくて、お願いします。それに、サポートでキャラ調べたりするのにも必要ですよね、ちゃんとしたGM番号」

当時ぼくは使われなくなっていたGM番号(誰が返信したのかがわかるようにするため)を借りてカスタマーサポートを手伝っていたのであるが、専用のGM番号を割り当ててもらうことになったのである。

その頃、Kさんが勝手にぼくのことを「澤さんは当社の役員になりましたんで」と触れ回っていて、ならばとGM_Kabraのはからいで一桁台の03が割り当てられることになった。そして、GM専用のゲームクライアントと、「GMコマンド(といっても前述の2種類)」、そして「GMツール」がぼくのPCにインストールされた。

「GMネーム、決まりました?」考える時間も与えないようなスピードで、GM_Kabraが聞いてくる。

「じゃあ、Sionicで。ソニック(=sonic)、みたいな感じで」
あまり熟考しなかった。ほんとうに適当に決めてしまった。

「はい、登録しておきますね。そのGM番号でログインして、キャラ作ってもらっていいです? それをGM化するんで」

みなさん、お待たせいたしました、GM_Sionic誕生の瞬間。

GM_Kabraから、キャラクターの扱い方、振る舞い方、そして「GMツール」の使い方のレクチャーを受ける。
ぼくはGMツールを「すげー、こんなことができるのか」という興味でいじり倒していた。

だが…… もう一度書こう。貧弱なツールでは「何人もの悪さ」への対処は難しい。
その頃、シィルツでは、じわじわと闇の中でDUPE(アイテム複製)が広まり始めていて……

(気が向いたら、続きを書きます)


Seal the Love! Seal the Forever! -6-

2014年6月23日(月曜日)

なんと7回目、ということは三日坊主が常のぼくでも一週間も続いてしまったということでしょうか。無事オープンβが始まったと思いきや…… GMたちは満身創痍だったんです。このへん、だんだん思い出すのがきつくて筆が(キーを叩く手が)鈍ります;;

クローズドβ開始以降の激務が祟ったのだろう。寿司をつまむことなく倒れたGM_Gazzaは、その後病院で診てもらったところ、足の古傷の痛みが再発したとのことで、(年末年始ということもあるし)当分の間は休養ということになった。

クリスマスが過ぎ、年末ムードの中、サーバーオープン自体は無事に済んだという安堵感もあったけれど(まあ、マップ落ちはしょっちゅうあった)、それ以上にみんなの体力は限界を迎えていたし、冬の締め切ったフロアに詰めていたら風邪の一つや二つ簡単に広まってしまうわけで。あろうことか、インフルエンザが流行ってしまったのだ。

ぼくは「○○は風邪をひかない」の例えどおり、インフルエンザにも風邪にも無縁だったけれど、オープンβの開始から一週間ほどの記憶がほとんどない。まだGMではなかったのと、いろいろ首を突っ込んではいたものの、どう逆立ちしてもGBMの社員ではなかったので、本来の会社の仕事をしていたような気もする。上司が気を遣ってくれて、ぼくはすこしの間、ゴタゴタのありすぎる浅草橋から離れていたような、そんな感じだったんじゃないかと思う。

とはいえ、折に触れ浅草橋に顔は出していて、作業を手伝ったりもした。
βテストに参加していたプレイヤーさんは知っているかとと思うけれど、2004年の正月に、GBMは住所を登録してくれていたプレイヤーに年賀状を出した。この宛名シール貼り(うーん、直接印字されたものへの切手貼りだったかもしれない。手元に印字済みのがないので確認できないのだけれど)がまた難儀だった。

普通、DM発送をしてくれる業者に住所リストとかハガキとかを渡せば、機械的にパッと印刷から発送までできそうなものだが、なにしろ登録された住所は「ナメック星」やら「ペンギン村」やら「ムーミン谷」が多数を占めている。そんなデータは渡せない。ならばデータの状態で加工すればいいのに、ぼくが知ったときにはなぜか宛名が印刷済み。さらに、目視で「これはないわー」という住所や、番地の書いていないものは除外しなければならない。こういうの人海戦術っていうのだと思うけどエンジニアでもGMでも経営陣でも助っ人のぼくでも、とにかく交代で黙々とやっていったのである。

で、そんな作業を何日か続けているうちに、先述のインフルエンザで一人欠け、二人欠け、大晦日までの間に、稼働できるGMはなんとGM_Kabra、GM_Bangdollの2人だけになってしまっていた。24時間体制のオンラインゲームで、オープンβ開始直後という大切な時期にこれでは、ほんとうにサービスを維持するのは難しい。

技術の要となるエンジニアは、トラブルがなければということで年末年始は自宅待機。といっても歩いて数分のところに一室を借りてそこに3人(Webプログラマ、ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア)が住んでいるという、今で言えばシェアハウスみたいな状態だから、トラブルがあればすぐ駆けつけてくれたし、技術的な安心感は比較的大きな印象があった。

とはいえ、GM2人。当時は、ゲーム内のサポートだけでなく、お問い合わせメールも全てGMが返信していて、そりゃ10万人近くのプレイヤーがいれば、同時接続は1万人くらいあるし、問い合わせはひっきりなしに届く。バグやらスタック(フィールド上で動けなくなる)やら、グラフィックボードの相性で動く動かないみたいな話題がドンドコ届く。返信しても返信してもどんどんメールが溜まっていく。GMだって食事もすれば仮眠も取りたい、でも2人は同時に外出できない(事務所がカラになってしまう)し、八方塞がりだったのである。

そういうときに、なんか心配になって顔を出してしまったぼくがいて。あとはわかるな? そう。
「澤さん! ちょうどよかった! 手伝ってください!」

二年参りして初詣もしたかったのだけれど、そんな時間はとれないので、12月31日の夜、ぼくは当時付き合っていた彼女(今のカミさんです)と巣鴨のとげぬき地蔵にお参りをして、彼女をほったらかして浅草橋へ出向いた。

2003年から2004年に切り替わる時、ゲームの中でカウントダウンをやっていたような気もするけれど、たぶんオペレーションしていたのはGM_Kabraで、ぼくは除夜の鐘を聞きながら、GM2人の夜食をコンビニに買い出しに行ったりしてた気がする。

1月2日、夜にKさんか誰かが来たので、留守を任せて、三人で浅草橋の駅近くの「日高屋」に行ってラーメンとチャーハンと餃子を食べたのを覚えている。あれだけゲームの仕事をしているのに、やっぱりゲームの話をしていた。「Bangdollの名前って『聖剣伝説』が元ネタ?」とかそんな話もしていた気がするけど、どうにも細かいところは覚えてないものだね。

大晦日から1月3日の朝まで、いわゆる正月返上ってやつでぼくらは手当たり次第にメールを返していった。ぶっちゃけ、帰ってない。いきなり手伝わされた感がありつつも、メールによるカスタマーサポートの経験はあったので、返信用のシステムに慣れるのも時間の問題だった。毎日1000通、延べ3000通。 回答用テンプレが使えたにせよこれを3人で、つまり一人1000通を三ヶ日で片付けた! ということになる。

GM_KabraとGM_Bangdollはゲーム内の巡回もしたりしながらだから、ほんと、人っていうのはやればできちゃうものみたい。1月3日の昼か夕方に出勤してきたのは、たしかGM_SeraphimかGM_Teraphyだったと思うけれど、年末からの返信履歴を見て「これ、3人で返しちゃったんですか?」と驚いていた。当時、「ドヤ顔」なんて言葉はなかったけれど、ドヤ顔だったと思う。そして、ぼくら3人はそれぞれ眠りにつくために帰ったのだが……

目が覚めると1月5日だった。なんてことだ。岩本町(ぼくの所属していた会社)に昼ごろ出勤したわけだが、仕事始めはとっくに済んでいて、このところ浅草橋に入り浸りだったこともあり、若干肩身が狭い感じもした。

そこへ、ぼくの上司が「誕生日、おめでとう。何歳になったんでしたっけ?」と、手のひらに少し余るくらいの大きさの箱を取り出した。
「あ、え……28に、なりました」
1月5日はぼくの誕生日。いつだったか誕生日の話をしたのを覚えていてくださったのだろう。ぼくは箱を受け取って、「開けていいですか?」と聞く。「そんなたいした物じゃぁないよ」と上司は笑った。

開けると、そこには皮の財布が入っていた。ぼくは、今もそうだけど持ち物に無頓着なほうなので、それまで使っていた財布はとんでもなくボロボロだったから、それを見てのチョイスなのだと思う。ちょっと驚いた。
あいにく、この財布に入れるお金は、あまり持ちあわせてなかった。

さて、ここまでずっと書いてきた中で、ぼく以外の人物については、GM名かイニシャルかで話を進めてきた。でも、唯一「ぼくの上司」という呼び方だけが特殊だったことに気づいた人もいるかと思う。どんな人物だと思う?

数奇な運命ってのはこういうところに潜んでいるんだって、いつも思うけれど、この当時の「ぼくの上司」こそ、現WemadeOnline(日本版『SealOnline』の最終的な運営企業)のJ.C.社長だ。この時はまさかそういう巡りあわせになるとは誰も、微塵も思わなかっただろう。そういう歴史(大げさですが)が作られるには、まずぼくがGMになり、社長になり、そしてさらに1年半ほどして社長を辞めて、さらにぼくのよく知らない経緯を超えて…… という流れを辿る必要があるからだ。

そんなわけで、ついに幕を開けた2004年、GM_Sionicが誕生する日は、案外早く、来た。

(気が向いたら、続きを書きます)


Seal the Love! Seal the Forever! -5-

2014年6月23日(月曜日)

ここ数日、書きながら考えていたんですけど、おそらくオープンβテスト~商用化直後くらいまでのことはこんな感じで書いていけるかな、と思うんですけど、商用化後のことって覚えてないことのほうがすごく多いんですよね、なんでだろ……

まあ、答えは簡単で、忙しすぎたみたいなところがあったからだろうなぁ、と。一ヶ月で3回しか家に帰って寝なかった、みたいなことが平気であった(シャワーを浴びて着替えに帰るみたいなのはしてたけど)。
そんな『Seal Online』思い出話も6回目。

前回、DNS設定を変えてしまったがために、事前登録不能どころか、アクセスしても真っ白な状態となったsealonline.co.jpサイト。急場を凌ぐために、2ちゃんねるに「hostsファイルをこう書いたら接続できた!」とかを書き込んだ気もしつつ、元のWebサーバーに(リダイレクトではなく)「IFRAMEで100%で中身をIP直で書いとけばいいじゃん」みたいな方法で乗り切ったのだった。
(ツイッターでの遣り取りで思い出しました、ありがとうございます!)

会員登録も無事に始まり、GMたちは座談会イベントで、クローズドベータの最後の最後まで、出来る限りプレイヤーの意見を吸収しようと努めていた。ぼくはといえば、まだGMではなかったこともあったけれど、再び4Fにいることが多くなった。それは、オープンβ開始後の運営体制についてと、韓国開発元と韓国での権利元について、連日ミーティングが行われていたからだ。

このあたりで色々と整理されてきて、『Seal Online』の本場である韓国では、開発元G社、世界的な運営権はY社という住み分けができた。Y社が日本の『Seal Online』の版権を管理するため支社の設立を進めることとなり、それまでの間、変わらずGBMは運営会社として進むこととなった。

まだ固まってはいなかったが、GBMはそれまでG社と直接遣り取りしていたのを、ワンクッション入ってY社から運営権を日本国内限定で与えられる形となる。これには利点があって、-Zero-で触れたような権利関係でもう揉めなくていい、ということだ。「儲かる空気が出たら欲をかき、儲かりそうもなかったら手を抜く」というようなことが起こらなくなる、はずである。

だが、それはそれで色々な「変化」を浅草橋にもたらした。まず、韓国Y社からPさんという人が常駐することになった。この理由は、『Seal Online』が正常に運用されることを目的として、各種契約事であったり、ポータルサイトとの調整、商用化を前提とした課金回りの調整、関連商品(グッズや書籍)の手立て、プロモーション戦略、広報などを担うためである。世界的な運営権を持っているのだから、それは当然だ。運営部分だけをGBMに委託すれば良いことになる。

そしてもう一つの理由は、KさんCさんにこれ以上無茶苦茶をさせないため、である。

ここまで読んできた方はご存知のとおり、働いているメンバーについての役所的な手続きがまったくだったことに代表されるように、大変に経営状況が問題ある状況だったのである。ぼくが伝票だのなんだのを整理したり、役所に何度行って労務関係を整えようが、こいつだけは片付かない。でも考えてみればこのとき、すでにある程度の方向性は決まっていたのだと思う。多分、決まっていなかったのは、Y社の支社を日本に作るとして「社長を誰にするか」ってこと。

で、普通に考えたら面白くないのはKさんCさん、ということになる。事実、Cさんは何度か韓国から来たY社のメンバーと険悪な感じになっていたし、ほとんど浅草橋に来なくなった。たまたま、ぼくが3Fで(GMの休みが重なったので終電~明け方の数時間、エンジニア以外誰もいなくなるということで)世を明かしたときに、Cさんがやってきて、「あれ? GMいないですか?」と言うので、「ああ、たまたまです、もう2時間くらいしたら来ますよ」と答えると「そうですか……」とあたりを見回して、カバンに荷物を詰めて帰っていったんだけれど、あれが浅草橋でCさんを見た最後だった。

オープンβバージョンの準備も着々と進んでいき、いわゆる「ローカライズ」の部分は、GM_Bangdollがほとんど進めていて、他のGMがそれをチェックして、GM_Kabraが最終的にまとめあげるような、そんな段取りだった。その横でKさんはいつもタバコをくわえながら頭を抱えている感じで、それはなぜかというとローカライズも経営的なことも、韓国との遣り取りは全部Kさんがハブになっていたからである。後に開発元のG社に日本語のわかるスタッフが配置されるまで、ずっとそうだった。

ある時、Kさんがぼくにエクセルのファイルをメッセンジャーで投げてきて、「澤さん、いつもは私がやってるんですが、ちょっと手が離せないのでそれ、翻訳してくれますか」と言う。エクセルに羅列された単語や文章、これをどこでどう使うのかはさっぱりわからない。豆? エサ? 文章もクエストやストーリー部分のようでもないし、なんか若干ぞんざいな(言い捨てのような)セリフが多い。でもこんなキャラはシィルツにはいないよな…… そう思いながら翻訳をしたのだけれど、これが後にペットシステムのセリフにそのまま使われるようになるとは、この時は思いもよらなかった。

業界の状況としては、ちょうど冬休みシーズンということもあって、各社がオンラインゲームのβテストを挙って実施していた。どこのゲームで同時接続が何人いったとか、今度は何ていうタイトルが日本にやってくる(ほとんど韓国産でしたから)とか、そんな話題がフロアの中でも毎日のように出ていた。アルバイトで応募してくるGMも、ラグナロクでGMしてました、FFでGMしてました、信onにも応募出してます、みたいな人が多かった。(ほとんどGM_Kabraが面接していたと思う)
それくらいPC向けのオンラインゲームってのに業界全体が湧き上がっているような、そんな時期だ。

そしてついに12月23日。クリスマスイブ前日、オープンβサーバーオープン!

クリスマスバージョン(ラビがサンタ帽をかぶっててすごくかわいかった!)のグラフィックで、エリムに巨大なツリーが出現。オープニングセレモニーは、ここ数日GMたちが準備していたイベントだ。ぼくはGMキャラは持っていなかったので、自分のキャラでエリムを駆けまわって遊んでいた(ほんとうに遊んでいた)。

そこからは、10日で10万人の登録など、ご存知の展開になるわけだが…… 舞台裏ではこんなことがあった。

まずはサーバーオープンおめでとう! ということで浅草橋の持ち帰り寿司の店で、大桶くらいのを2つほど買ってくることになった。率先して買ってきてくれたのはGM_KabraとGM_Bangdollで、他の不眠不休で取り組んできたGMへの労いの気持ちが人一倍強かったんだと思う。そのあたりが他のGMからの信頼感の根底にもなっていた。

寿司が3Fに運ばれてくると、とりあえず順調にゲームサーバーは動いていたので、エンジニアや手の空いたGMが順に好きなものを取っては口に運び、一時の安堵が3Fに訪れた。

「寿司! どういう風の吹き回しってヤツですか!」徐ろに立ち上がって寿司のあるテーブルのところへ来ようとしたGM_Gazzaだったが、
「……! あ……う……」

そのまま足を押さえて床に倒れこむ。ぼくを始め、GMたちもエンジニアも、フロアの床で足を押さえて苦悶の表情のGM_Gazzaの姿に呆気にとられつつ、すぐ状況を理解して騒然となり……

「おい! 大丈夫かよ! 誰か、病院に連れて行け! タクシー使っていいから!」

(気が向いたら、続きを書きます)


Seal the Love! Seal the Forever! -4-

2014年6月22日(日曜日)

なかなか『Seal Online』のゲーム自体のことが出てこないのでどうかなと思いつつ、当時の思い出話を綴っているシリーズ、なんと5回目です。まだオープンβに入ってねーぞ……

数日GBMの事務所を空けて、憔悴して帰ってきたKさん。「軟禁されていた」という顛末について聞くと、概ねこういうことであった。

現在の通信企業とのクローズドβテストの座組(サーバー、回線、広告など)そのままでのオープンβテストへの以降は無理。なぜなら、独占で回線契約をしている利用者にのみ『Seal Online』を提供しているからこそ、(そのゲームに魅力があればあるほど)その会社の回線・プロバイダに申し込む人が増えるメリットがあるのであって、どんな回線・プロバイダからでも接続できてしまったのでは、まったく意味がない。まあ、そりゃそうだよね、っていう。

これはおそらくKさんも予想できていたことだろうから、「ならばクローズβ終了に伴い、契約を解消」という切り札を切ったのだと思う。たぶんそこには、『Seal Online』のコンテンツ性があれば、独力でもなんとかなる、という(甘いかどうかは別として)見通しもあったか、あるいは……そして今度は先方から出てきた(当然出てくるだろう)条件をKさんは飲むことができず、揉めた、帰してもらえなかった、連日に及んだ、軟禁された、というわけだ。

このあたりは想像の域を出ないし、軟禁まがいのことを巨大通信企業がするというのは考えづらい(けど考えづらいことに限って起こることも無くもないのかもしれない)し、あるいは、後の展開を思うと、むちゃくちゃ古い例えをすれば「江川の空白の一日」みたいなものかな、と思っているし、って、この例えオッサン以外誰もついて来れないぞこれ。

余談だが、こういうことは、最初の契約時にそこまで突っ込んでおかないと大抵泥沼になる。「一緒に頑張りましょう! これからやるぜ!」というときに撤退条件の設定をするのは、「え? このプロジェクト、うまくいかないとでも思ってんの?」ということになりかねないが、うまくいくことしか考えないというほうがおかしいし、双方の遺恨を残さないためにもきちんとやる必要があるわけで、おおよそこれをしていなかったのだろう。

そして、当然解約条項の書かれた合意書について、GBM側の意向を盛り込んだ修正版を作成することになったのだが、これがまた難儀であった。とにかく削除したかったのは、クローズドβのデータについて、(持ち出しはNGにしても)コピーさえ許されない、というところだった。

パソコンのオンラインゲームは、おおむねメールアドレスだけでなく、住所氏名も登録するみたいなのが当時の文化であったわけだが、そういった個人情報を除いてもダメ。さすが巨大通信企業、「おれのサーバーに入ったデータはすべておれのもの」というわけだ。当然な気もするけど。さて、これをどう交渉するか。

ただ、このデータを渡さないって件、どうも契約解消のことが出てきて、先方が一矢報いようとして言い始めた感じがあるのだよね。ぼくが来る前に、GM_Kabraが何度か先方の担当者から「クローズドβで自分たちの役割は終わっても、ゲームのデータは渡せます」的なことを聞いていたというし。まあ、書面になっていない(契約書になっていない)ことなのだし、今となってはよくわからないのだけれどね。

この時、ぼくには誰が味方で誰が敵かみたいなものの見方は全然なかった。「韓国語で作られた修正合意書を日本語にする」って仕事をぼくはしたのだけれど、文面を見ながら、薄々「これってこっち側のチョンボをこの合意書で有耶無耶にしてるとこも相当あるんじゃね?」的な考えも浮かばなくはなかったけど……

そういったことと並行して、(これはぼくの10年前の記憶でしかないので、曖昧かつ時系列も前後しているとは思うが)おそらくその通信企業との交渉決裂も視野に入れ、オープンβの受け皿となるパブリッシャーやポータルサイト各方面への打診は始まっていたのだと思う。そういう、いわゆるビジネス大作戦っぽい動きはKさんやCさんが進めていたし、そのあたりのことはぼくの上司が綿密にバックアップしていたはず。

とまあ、「上は洪水、下は大火事、これなぁに?」っていうナゾナゾがあるけれど、
経営陣のすったもんだは4Fで。そして現場の大混乱は3Fで。

実は、GBMはクローズドβからオープンβへ「データの移行(プレイヤーキャラクター等)をします」という告知を出してしまっており、このタイミングで交渉が決裂して物別れにでもなると、データの移行はまったくできなくなる。

MMOやMOに関して言えば、クローズドβでのキャラリセットはよくある事だったのだけれど、「リセットしない」ということがプレイヤーモチベーションに繋がるのも事実なので。

ぼくにもそういうことはよくあった(開発が言うスケジュール通り実装されると信じるしかないし、それを告知したけど守れなかった、みたいなのは典型)けれど、「状況がコロコロ変わって当たり前」なのはあくまで運営側が腹をくくるしかない問題で、プレイヤーにはそんな腹など関係のないこと(変わってもらっちゃ困ること)だ。

そこでデータ移行ができないことについて本当に心を痛めていたのはGM_KabraはじめGMのメンバーだ。この頃の3Fは本当に殺伐としていて、データが移行できないとわかりつつ、オープンβに期待を膨らませるプレイヤーと対話しなくちゃいけないGMは本当に辛そうだった。

余談その2。たぶん古いSealのプレイヤーは気づいているかな、GM_Nashの名前がこの一連のぼくの思い出話にはほとんど出てきていない。
その理由なんだけれど、この頃からだんだん彼は出社しなくなっていて、ぼくは顔を合わせたこと数回しかないからだ。当時は、おそらくこういうプレイヤー無視の事情で進む乱暴な運営方針に嫌気がさしたんだって、そう思ってた。

そして、そういう姿を目の当たりにして、ぼくは上司に断りを入れて、3F常駐にしてもらうことにした。というのも、これだけの事態にあって、ぼくが経営的な部分に顔を突っ込んで切った張ったのやりとりをできるわけもなく(あくまでコンサルティングで出入りしてる人、だったので)何に力を発揮したらいいかな、というところでそうしてもらうことにした。

それに、業務時間外も、引き続きこの事務所で手伝ってる分には構わないってことになって(GBMも逼迫していて追加でぼくの所属するコンサルティング会社にお金を払うのは難しかったんだろうし、個人が勝手にやってきて勝手に手伝ってるみたいになった)だんだんぼくは「Seal沼」にハマッっていったのである。

ぼくが3Fに入り浸るようになって、件の通信企業ともどうやら折り合いが着いたらしく、Kさんからは「二度とあいつらとは口をきくな」と言われた。直接接点があったわけではないので、口をきくような場面はなかったのだけれど、結局それは「クローズドβのデータをオープンβに移行できない」ってことだ。

GMたちは「結果として嘘となった」それと向き合うために、告知に努めたり、データ移行に変わるキャンペーンを企画しはじめた。

雨降って地固まる。とはよく言ったもので、そんな混乱もありつつ、『Seal Online』のオープンβ~正式サービスを引き受けてくれるポータルサイトが決まり、先に計画が進んでいた発表会についても、そのポータルサイトの公表(つっても案内状が出てる時点でバレバレなんですが)を兼ねてできる! やったね! という雰囲気になっていった。やっぱ後ろ向きの話題を吹き飛ばすのは、前向きの話題だ。

発表会当日の役割分担をGMを交えてやっていたときのこと。受付は確か段取りを請け負っていたSさんが手配してくれた気がする。それ以外の、誰が場内でゲームの操作をするのか、誰が事務所に待機するのか、そして誰が「着ぐるみの中に入るのか」などを社内で決めていった。

進行表もSさんから送られてきていて、K社長挨拶、ポータルサイト社長挨拶、ゲームのお披露目・解説・デモプレイ、質疑応答、試遊台でのプレイ……シンプルな進行で、これならそんなに混乱もないよな、と思っていたときのこと。

「あれ? このゲームのお披露目・解説って誰がやるの? GM_Kabra?」とぼくが聞くと、「いやいや、僕はデモプレイをしなきゃいけないので、直前の解説なんでできないですよ」と言う。GM_Bangdollも「会場の後ろでプロジェクターの切り替えとかをしなきゃいけないんで……」という。GM_Teraphy?「着ぐるみの中です」 マジで? Kさんは、やんないよね、っつかできないよね。Cさんは日本語ダメだろうし、表に出ない人なんだっけか。エンジニアは全員事務所待機だし……

「澤さん、やってください、得意そうだし」とGM_Kabra。
その得意そう、っていうのはどこから来ているのかわからないが、おおよそその直感は正しいぞ。

準備もどうにか進んで当日。直前になって、大変なことがわかる。

会場に引かれていた回線のルーターが、クローズドβのサーバーにアクセスできないタイプのやつだったのだ。前述の通信企業の会員専用コンテンツサービスというやつは、ルーターが専用か、あるいは当時まだ珍しかった切り替え機能付きのやつを使わなければならなかったのである。何をどう切り替えるタイプだったのかはもう忘れたし、今となってはなかなかそういうことはないのだけれど、面倒な時代でしたね……

クローズドβのサーバーにアクセスすることを潔く諦めたとして、残るは「浅草橋にあるテストサーバー」か、「韓国の開発元にあるテストサーバー」のどちらかへのアクセスだ。だが、どちらも専用のクライアントソフトが必要で、それを当日のゲーム解説までの間にダウンロードしきれるかどうかは怪しかった。しかも複数台あるわけで……

これには頭を抱えた。できれば日本語化も済んでいるクローズドβのサーバーにアクセスしたい。テストサーバーは何につけても不安定だ。どうしたものか……

色々考えあぐねていたが、Kさんが電話一本で解決してしまった。浅草橋から「テストサーバー用クライアントソフトをインストール済みのPC」をエンジニアに持ってこさせてしまったのである。

着ぐるみがそこそこデカいので、軽トラを借りてそれで搬入する手はずになっていたのだが、その軽トラの荷台にエンジニアがテスト用のPCとモニタを抱えて乗り込んで……という寸法だ。(道交法で、ドラックの荷台に荷物番を載せて良いというのがあるというのは、この時初めて知った)

……ただ、ちょっとぼくの記憶も曖昧で、ひょっとしたら「テストサーバーごと」運んできたのだったかもしれない。なんとなくテストサーバーごとみたいな気がしてきたが、それはそれで無茶苦茶な解決法だ。

というわけで、発表会は無事開場、GM_SeraphimやGM_Teraphy(たぶんGM_Nashも交代で入っていたような)が中に入った着ぐるみ(ラビとオモモ)に迎えられ、プレスはじめ関係者諸氏が入場した。

そして予定通り、関係者の挨拶が進み、ゲームの紹介部分はぼくが、質疑応答でゲームに関しての内容はGM_Kabraが進めた。苦肉の策でテストサーバーに繋いだことにより、韓国語版ながらも最新の情報が見せられたことなど、ここ数日なり直前なりのゴタゴタはあったけれど、比較的スムーズに発表会は終了した。

でもね、あまりに寝不足だったのでよく覚えていないのが実際なんです。そう、もう、ぼくはその頃には浅草橋に平気で泊まりこむようになっていたので……

ってことで、下記の記事が当時とても印象的だったので、リンクを貼っておきます。

エキサイト/GBM、MMORPG「Seal Online」の発表会を開催
オープンβテストを12月23日より開始
(Game Watch)

かなり辛辣なことが書いてある(要は、社長たちがリップサービスにすても大げさなこと言い過ぎてんだろこれ、というまっとうなツッコミ記事)のだけれど、たしかこれ、ポータルサイト経由でクレームが行ったんじゃなかったかなぁ。伝え聞きなのと、昔のことなんで、記憶あやふやですが。ぼくから電話したんだったかなぁ。ちょっと覚えてないのだけれど、何件か記事について電話で何社かと遣り取りした覚えがある。

で、発表会の夜から、ユーザー登録開始。
なにしろこれまで「したくても家の回線があの通信企業のやつじゃないからできなかった」プレイヤーが大勢いるわけです。ユーザー登録が殺到して登録ページが開け……あれ?

ユーザー登録ページのあるsealonline.co.jpに、繋がらない。すごい人気じゃね? でもWebサーバー、そんなにしょっぱくないよね。ん? なんか、変だよ、これ、真っ白。ちょっとも読み込まない。

社内の回線がおかしいんじゃないかと、PHSを接続したノートPCで試してみても、繋がらない。これ、殺到ってレベルじゃねーだろ?

サーバーがおかしいんじゃないか(ドメインも、なんで.co.jpなのかも意味不明だし)、アップするHTMLとか間違ったんじゃないか、もう社内は混乱してしまって、何を点検していいのかもわからない状況。殺到といっても、少しずつ登録完了されていけば捌けるはずなのに、DBの中身を覗いてもらっても、誰も登録されてこない。いや、少しは登録がちょっとずつ入るだろ、DBぶっ壊れたか?

そんな絶望に包まれたそのとき、エンジニアチームからカタコトの日本語が発せられた。

「あの、DNSの設定、さっき変えたから、何日かウェッブ、表示されないです」
しれっと言うな、しれっと!

(気が向いたら、続きを書きます)