Seal the Love! Seal the Forever! -10-

ちょっと間が開きましたけど、気が向いたら書いてる感じなのでご容赦ください、11回目。オープンβ開始から約一ヶ月。ルビー噴水のチートを技術ではなく、GMの事後対処で凌いでいたその頃……

雑誌のインタビューは、鍋を囲んで和やかなムードで進められた。インタビュアーはアバター原田氏とN氏の2人。アバター原田氏は、今更説明も不要なほどのMMO界での有名人だ。ぼくなんか比べものにならないほどMMOに造詣が深く、特にUltimaOnlineやDAoCでも名を馳せていたプレイヤーでもある氏は、β以前(韓国語版しかなかった時代)から『SealOnline』を猛プッシュしていたし、シィルツの中でプレイヤーが抱えている不満や改善点などについても、氏のもとにかなり寄せられていた。

気軽にインタビューを受けたかったところだが、そういった氏のプロフェッショナルなツッコミに緊張せざるを得なかったし、例のチートのせいで、ぼくやGM_Kabraはそんな場でもゲーム内のことが気がかりで仕方がなかったのである。

10年後の今であればそこそこのスペックのPCを、電源を借りながら、かつ無線通信なんか使っちゃったりしてチェックしつつ、なんてこともできたはずだ。だが、2004年初頭である。モバイルの手頃な回線といえばAirH”の32Kbpsパケット方式の使い放題や、あるいはP-in Compactのような回線交換方式64Kbpsだったけれど、全然ネトゲできる感じじゃなかった。

そんなわけで、いつ浅草橋から電話がかかってくるかみたいなことが頭から離れないまま、『Seal Online』内の話や、今後のアップデート予定について、あるいはGMイベントの今後についてを語っていったのだった。

いいタイミングで、座敷にぼくの好物が運ばれてきて、テンションMAXに。それは殻付きの生牡蠣である。これが大きな木枠の容れ物に砕いた氷が盛ってあって、そこにいくつも積まれている感じで運ばれてきた。

ところでぼくの性格なのだけれど、こうやって鍋だとかみんなで突つくとか大皿に載ってくるとか、そういう状態の場合は躊躇なく好きなものを食べる、という癖がある。ぼくも大人なので、一応みんなが食べたかなぁ、という頃に箸を伸ばすようにしているのだけれど、それは、そうでもしなければ最初から最後まで(他の人が箸をつける前に)食べ終わってしまうみたいなことが発生してしまうからである、子供か。

この時も、それぞれが一つずつ手にとって食べるのを見届けてから食べたわけだが……
「うまいっすねー、これ!」と食べている姿を見て、アバター原田氏も、GM_Kabraも「澤さん、残りを食べちゃっていいですよ」という。「え、いいんですか」とか言いながら、まったく遠慮なく完食。たぶん、1人3つずつとかの量だったので、7〜8個は食べたということになる。

普段貧相な一人暮らしだったものだから、食べられるときに全力で栄養補給するみたいな、そんな至福でもあった。
そして、予想通り途中で浅草橋(そのときはGM_Teraphyであったと思う)から電話があり、またルビー撒きが発生したようで、二次会(汗)はナシということでお二方と別れ、ぼくとGM_KabraはGBMの事務所に戻ったのである。

戻った頃には、おおかたルビー撒きの対処は完了していて、「慣れてしまうのね…」的な感想を抱きつつ、万一に備えてぼくは簡易ベッドで眠り、夜勤のGMが明けて帰る頃に起こしてもらうことにした。

そのとき、簡易ベッドの場所といえばオフィス内でもゴミ袋を積んである隅で、ゴミ袋っていうのは45リットルの大きいやつが2個3個みたいな、そりゃ十数人が出入りしてコンビニ弁当だなんだのガラが出まくるところなわけで、次の収集日まで一週間待てない状況のものを積んでいたわけだ。パーティションで囲って隠していたのだけれど、そこに簡易ベッドもあった。たぶん山とかでキャンプするとき用のやつだ。アルミかなんかのパイプにナイロンの頑丈な布が張ってある。

ぼくはどこでも寝られるのと、ここに出入りするようになってからそれなりに疲れも溜まっていて、そんな環境でもぐっすりと熟睡してしまったわけだが……

次の昼、ぼくが目覚めたころ、GM_Gazzaが「澤さん、昼、どうします? 自分、ホカ弁買って来ますけど?」という。
「あれ? もう昼? 寝すぎたごめん…」と言いかけて、「あれ?GM_Kabraが来たら交代なんじゃないの?」と聞くと、
「それがKabraさん、来てないんスよねぇ。昨日呑みすぎたんすか?」と。
そんなに飲んでたかなぁ、と思いながら「まあ、ぼく、起きたし、あとは見とくよ?」と言うと、「大丈夫ッス。メシ食ったら適当なところで帰りますから」という。なので、ぼくは、のり弁を頼んだ。

なんでその時にのり弁を頼んだなんて細かいことを覚えているのかというと、のり弁のフライ、油が悪かったのかすごくマズかったからである。記憶にあるうちで最悪のレベルだったのでとても良く覚えているし、このハプニングが起こったときだったので忘れられなかったというのもある。

ぼくにのり弁のマズさを忘れられなくしたハプニングとは、さらに翌日になって、丸一日連絡をくれなかったGM_Kabraからの電話で明らかになったのである。

「澤さん……すみません、病院に行ってまして……胃液が全部出ちゃったみたいで……澤さんは、大丈夫でした?」
「は? 別になんともないけど。ひょっとして、何か、当たった?」
「医者が言うには牡蠣じゃないかって。でも、一つしか食べてないですし、澤さんたくさん食べてましたよね……」
「あー、いや、とにかく休めよ。こっちはなんとかすっから」
「すみません……」

そして、気になったぼくは記事用のアイテムデータをFAXで送るついでに、アバター原田氏の編集部に電話を入れた。
「あの、GBMの澤と言いますけれど、原田さんはいらっしゃいますでしょうか?」
「すみません、昨日より入院しておりまして……」
「!? あ、あっと、では、Nさんは……」
「おそれいります、Nも昨日から出てきておりませんで……」
電話口の人はとても申し訳なさそうに言う。ぼくはとりあえずFAX送ったのでチェックしてほしい旨だけ伝えて電話を切った。

4人中、3人が牡蠣に当たった。みんな1つか2つしか食べてない。そして7つは食べたぼくが、ピンピンしている…… むしろのり弁のフライがマズかったみたいなことのほうが食のトピックとしては上位に来ている昨今。

このことがあり、Kさんと相談して、GM募集を急遽行うことになったのであった。
応募してきたのは、後にGM_Etude、Asyuramu、Astlaiaとなるメンバーである。(ExusiaiとGomatenはもうちょっと後だ)
そして人員の増強とともにオープンβテストも(ろくにアップデートがないまま)佳境を迎えつつ、並行してポータルサイトの協力もあって広告なども少しずつ出せ、「しるしるシール」という……そのあたりのことは次に書くことになると思う。

(気が向いたら、続きを書きます。)

広告

現在コメントは受け付けていません。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。