Seal the Love! Seal the Forever! -8-

さて、『Seal Online』日本版の運営終了をきっかけとして、10年前のことを(今後思い出すきっかけは無いだろうし)書き綴っておけというコンセプトで、気が向いたら続きを書くなんて言いながら9回め。毎日何かしらの文章を書く、という習慣付けをやりたかったのでそれなりにやってます。

-7-の記事に画像を一つ追加しておきました。2004年の成人式イベントのときのスクリーンショットです。縮小してしまったのであれですが、中央付近に「モバイダー」というキャラがいるのが、ぼくです。

そして、今このブログエントリ、昨日公開したかったんだけど、丁度、書いてた2014年6月25日の報道で、オンラインゲームに対してのチート行為を行っていた三人組が「電子計算機損壊等業務妨害」で書類送検された、というのがあったんですね。ネットでも話題になってた。(下記リンク参照)

「サドンアタック」でチートツール使用者3名が電子計算機損壊等業務妨害容疑で書類送検

で、そもそも今回は「ルビー噴水」のことがネタなわけで、ちょっと日和って、一日おいて見なおしてからヤバい部分は編集した(笑)。なぜなら、当時実際にチートが蔓延したときに「どうやってそれを再現し、防いだか」みたいなことを書いたわけから、あんまし細かく書くと、それに興味をもった人が(いないとは思うけど、まったくいないとは限らない)他のゲームで真似したらイヤじゃん、っていう。お、塩肉、案外常識人じゃん。いやぁ、それほどでも(何の寸劇だよ!)。

ルビーチートをテスト&ルビー回収してたときのスクショ

ルビーチートをテスト&ルビー回収してたときのスクショ

そんなわけで、画像は、「ルビー噴水」事件のあったあたりの日付のスクショです。アイテム欄がルビーで埋まっているのは、生成する実験をしたり、あるいはフィールドに転がっているルビーを回収したから。

知らない人もいると思うので一応ざっくり書いておくと、『Seal Online』の世界で、武器や防具といった装備品をアップグレードするためには、水晶やルビーといった宝石アイテムを消費する必要があったんですね。そして、装備品の能力値が上がり、名称に「+1」やら「+3」やらの数字がついていく。水晶でアップできる「+3」までは、失敗自体がなかったりするのだけれど、その先にルビーを使うようになってからは、失敗したり、失敗と同時に段階が下がったりという要素が加わり、まあ、簡単に言えば「なかなかうまくいかないのでルビーばかりが消費されていく」みたいなシステムになっていた。

プレイヤーキャラ同士で取引をすることができる「露店」なんかでも、ルビーは高値安定という感じで、需要は無くならない。なんだかんだと手に入りにくいということ含めて「バランス」が保たれているこの世界で、ザックザクとルビーが「出土」してしまったら……

突然ですが、Windowsというのはマルチタスク可能なOSです。PCのウィンドウでソフトウェアに何かを処理させながら、別のウィンドウでもソフトウェアを動かし…… ということが可能。つまり、『Seal Online』のウィンドウでゲームをしながら、別のウィンドウでSealの通信内容を改ざんすることも可能、というわけでして。

初期の『Seal Online』はウィンドウモードでの起動ができるようになっていたんですね。そして、別のウィンドウで起動したツールによって、Sealが行っている通信内容を書き換える(具体的にはSealの操作と通信を対応させるマクロを組む必要があった)ことで、サーバーに虚偽の状態を通知し、誤動作させ、プレイヤーに有利なゲーム結果(アイテムを獲得した、敵を倒した、など)を引っ張りだすことができたっていう。

画像は縮小したのでちょっとわかりづらいかもしれないけれど、チャット欄が「a」という一言で埋め尽くされている。これは「a」と発言したら、ルビーが自分のキャラから「ティリンッ!」とドロップされ、それを自ら拾うという一連の動作でDUPEしていたからなんだけれど。

さて、単に一人のチーター(「升」とか「升er」って表記したのも懐かしい)がコソコソやってたならここまで大きな問題にならなかったのだろうけれど、あまり良くない意味で、これらは『Seal Online』の歴史に刻まれる事件になってしまったのだ。

このDUPE、あまりに簡単にできてしまいすぎた。2ちゃんねるにその方法が書き込まれるや、多くの人がやり始めてしまった。しかも、ルビーを手に入れて『Seal Online』内で使ってどうこうしようというよりも、愉快犯的に人が集まってる場所で「ティリンッ!」「ティリンッ!」「ティリンッ!」と連続DUPEをするタチの悪さ。

このとき、ルビーがキャラの頭の上から連続して湧き出るように見えるから「ルビー噴水」。このキャッチーでセンセーショナルな言葉が、もはや歴史に刻まれるに値する事件であることを示しているとは思わないかね? (思わねーよ!)

「ルビー噴水」が「発生」すると、問い合わせのメールがドンドコやってくる。もちろん、人が多い場所に立たせっぱなしにしておいた「監視キャラ」の画面内にも、そんな感じでルビーが撒かれている状況が表示される。敗北を感じる瞬間ですわ。

先日も書いたけれど、GMコマンドで「透明になる」なんて便利なものは当時なかった(あるいは日本の運営には教えられてなかった)から、何台かのPCで「監視キャラ」を立ててたんです…… そして、もう一つ言えば、キャラを蹴りだすGMコマンドも同様で…… そんな感じだったのでチートをしているキャラが発見できても、対応が後手後手に回ってしまう状況。

チートしてるキャラは、GMが現れるとスッとログアウトしてしまうので、「監視キャラ(一般キャラ)で近づいてキャラ名を確認する」→「キャラ名をぼくやGM_Kabraに大声で伝える」→「そのキャラのパスワードをGMツールから強制的に書き換える」→「エンジニアがデータを操作して、そのキャラクターを強制ログアウトする」なんてまどろっこしいことをやっていたわけだ。でも、プレイヤー一億総チーターみたいな状況で、そんなので追いつくわけもない。

技術的にチートが塞がれない、GMたちもすぐにチートキャラを追放できない、まごまごしているうちに、当時ポピュラーだった2ちゃんねるのスレは運営批判でいっぱいになり、チートに嫌気がさしたプレイヤーが辞めていく……

監視キャラをトコトコ走らせながら、ルビー撒いてるヤツの名前をメモして、エンジニアに伝える。一体何なんだこの非効率なチート対策は。こんなことをしていたら『Seal Online』は数日でメチャクチャになってしまう。

そうやって、涙目になりながら「ルビー噴水」を追いかけるGMたちを見て、立ち上がった男が一人、いた……
そう、あの「-Zero-」で登場した、サーバーを韓国の開発元まで担いで行った(担いで行かされたとも言う)エンジニアのCさんである。

エンジニアのCさんは、それまでチートキャラのキャラ名をコマンドラインで入力しては「叩き落とす」というのをやっていたのだが、おもむろに画面内にコンソールのウィンドウを4×4の16個、出現させた。
16個のウィンドウは、1-1、1-2、2-1、2-2(当時は2サーバー、各2セレクトであった)のそれぞれ4つの区域を示している。1つの区域はなにかというと、いくつかのフィールドや街やダンジョンが束ねられていて、まあ、まとめて管理してるわけだ。逆に言うと、「マップ落ち」をする場合は、この区域ごとに落ちるって寸法。

で、この16個のウィンドウに、それぞれどのキャラが何をしたみたいな通信が、ダーッと流れる(いわゆるログですね)。それこそ同時接続は1万人はゆうに超えていたので、すごいスピードで流れる。

「ルビー噴水」が行われるときは、特徴ある文字列の固まりがこれまたダーッとやってくるから、それをエンジニアのCさんは目で追って、もう1基のPCでカチャカチャとコマンドを打ち、そのキャラクターを「叩き落とす」。つまり、GMがゲーム内で目視して、ってのをふっ飛ばしたわけだ。そして1時間ほど経って……

「ほとんどチト、見えなくなりました」とエンジニアのCさん。

もぐら叩きもいいところのイタチごっこをやって、チートしていたプレイヤーも諦めたというわけだ。「すごいよCさん!」

だが、その平穏も長くは続かなかったため、翌朝、ついに「あれ」が登場することになる。そう、「絶大な」効果を発揮すると鳴り物入りで『Seal Online』に組み込まれた…… 「nProtect」、である……

(気が向いたら、続きを書きます)

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