Seal the Love! Seal the Forever! -5-

ここ数日、書きながら考えていたんですけど、おそらくオープンβテスト~商用化直後くらいまでのことはこんな感じで書いていけるかな、と思うんですけど、商用化後のことって覚えてないことのほうがすごく多いんですよね、なんでだろ……

まあ、答えは簡単で、忙しすぎたみたいなところがあったからだろうなぁ、と。一ヶ月で3回しか家に帰って寝なかった、みたいなことが平気であった(シャワーを浴びて着替えに帰るみたいなのはしてたけど)。
そんな『Seal Online』思い出話も6回目。

前回、DNS設定を変えてしまったがために、事前登録不能どころか、アクセスしても真っ白な状態となったsealonline.co.jpサイト。急場を凌ぐために、2ちゃんねるに「hostsファイルをこう書いたら接続できた!」とかを書き込んだ気もしつつ、元のWebサーバーに(リダイレクトではなく)「IFRAMEで100%で中身をIP直で書いとけばいいじゃん」みたいな方法で乗り切ったのだった。
(ツイッターでの遣り取りで思い出しました、ありがとうございます!)

会員登録も無事に始まり、GMたちは座談会イベントで、クローズドベータの最後の最後まで、出来る限りプレイヤーの意見を吸収しようと努めていた。ぼくはといえば、まだGMではなかったこともあったけれど、再び4Fにいることが多くなった。それは、オープンβ開始後の運営体制についてと、韓国開発元と韓国での権利元について、連日ミーティングが行われていたからだ。

このあたりで色々と整理されてきて、『Seal Online』の本場である韓国では、開発元G社、世界的な運営権はY社という住み分けができた。Y社が日本の『Seal Online』の版権を管理するため支社の設立を進めることとなり、それまでの間、変わらずGBMは運営会社として進むこととなった。

まだ固まってはいなかったが、GBMはそれまでG社と直接遣り取りしていたのを、ワンクッション入ってY社から運営権を日本国内限定で与えられる形となる。これには利点があって、-Zero-で触れたような権利関係でもう揉めなくていい、ということだ。「儲かる空気が出たら欲をかき、儲かりそうもなかったら手を抜く」というようなことが起こらなくなる、はずである。

だが、それはそれで色々な「変化」を浅草橋にもたらした。まず、韓国Y社からPさんという人が常駐することになった。この理由は、『Seal Online』が正常に運用されることを目的として、各種契約事であったり、ポータルサイトとの調整、商用化を前提とした課金回りの調整、関連商品(グッズや書籍)の手立て、プロモーション戦略、広報などを担うためである。世界的な運営権を持っているのだから、それは当然だ。運営部分だけをGBMに委託すれば良いことになる。

そしてもう一つの理由は、KさんCさんにこれ以上無茶苦茶をさせないため、である。

ここまで読んできた方はご存知のとおり、働いているメンバーについての役所的な手続きがまったくだったことに代表されるように、大変に経営状況が問題ある状況だったのである。ぼくが伝票だのなんだのを整理したり、役所に何度行って労務関係を整えようが、こいつだけは片付かない。でも考えてみればこのとき、すでにある程度の方向性は決まっていたのだと思う。多分、決まっていなかったのは、Y社の支社を日本に作るとして「社長を誰にするか」ってこと。

で、普通に考えたら面白くないのはKさんCさん、ということになる。事実、Cさんは何度か韓国から来たY社のメンバーと険悪な感じになっていたし、ほとんど浅草橋に来なくなった。たまたま、ぼくが3Fで(GMの休みが重なったので終電~明け方の数時間、エンジニア以外誰もいなくなるということで)世を明かしたときに、Cさんがやってきて、「あれ? GMいないですか?」と言うので、「ああ、たまたまです、もう2時間くらいしたら来ますよ」と答えると「そうですか……」とあたりを見回して、カバンに荷物を詰めて帰っていったんだけれど、あれが浅草橋でCさんを見た最後だった。

オープンβバージョンの準備も着々と進んでいき、いわゆる「ローカライズ」の部分は、GM_Bangdollがほとんど進めていて、他のGMがそれをチェックして、GM_Kabraが最終的にまとめあげるような、そんな段取りだった。その横でKさんはいつもタバコをくわえながら頭を抱えている感じで、それはなぜかというとローカライズも経営的なことも、韓国との遣り取りは全部Kさんがハブになっていたからである。後に開発元のG社に日本語のわかるスタッフが配置されるまで、ずっとそうだった。

ある時、Kさんがぼくにエクセルのファイルをメッセンジャーで投げてきて、「澤さん、いつもは私がやってるんですが、ちょっと手が離せないのでそれ、翻訳してくれますか」と言う。エクセルに羅列された単語や文章、これをどこでどう使うのかはさっぱりわからない。豆? エサ? 文章もクエストやストーリー部分のようでもないし、なんか若干ぞんざいな(言い捨てのような)セリフが多い。でもこんなキャラはシィルツにはいないよな…… そう思いながら翻訳をしたのだけれど、これが後にペットシステムのセリフにそのまま使われるようになるとは、この時は思いもよらなかった。

業界の状況としては、ちょうど冬休みシーズンということもあって、各社がオンラインゲームのβテストを挙って実施していた。どこのゲームで同時接続が何人いったとか、今度は何ていうタイトルが日本にやってくる(ほとんど韓国産でしたから)とか、そんな話題がフロアの中でも毎日のように出ていた。アルバイトで応募してくるGMも、ラグナロクでGMしてました、FFでGMしてました、信onにも応募出してます、みたいな人が多かった。(ほとんどGM_Kabraが面接していたと思う)
それくらいPC向けのオンラインゲームってのに業界全体が湧き上がっているような、そんな時期だ。

そしてついに12月23日。クリスマスイブ前日、オープンβサーバーオープン!

クリスマスバージョン(ラビがサンタ帽をかぶっててすごくかわいかった!)のグラフィックで、エリムに巨大なツリーが出現。オープニングセレモニーは、ここ数日GMたちが準備していたイベントだ。ぼくはGMキャラは持っていなかったので、自分のキャラでエリムを駆けまわって遊んでいた(ほんとうに遊んでいた)。

そこからは、10日で10万人の登録など、ご存知の展開になるわけだが…… 舞台裏ではこんなことがあった。

まずはサーバーオープンおめでとう! ということで浅草橋の持ち帰り寿司の店で、大桶くらいのを2つほど買ってくることになった。率先して買ってきてくれたのはGM_KabraとGM_Bangdollで、他の不眠不休で取り組んできたGMへの労いの気持ちが人一倍強かったんだと思う。そのあたりが他のGMからの信頼感の根底にもなっていた。

寿司が3Fに運ばれてくると、とりあえず順調にゲームサーバーは動いていたので、エンジニアや手の空いたGMが順に好きなものを取っては口に運び、一時の安堵が3Fに訪れた。

「寿司! どういう風の吹き回しってヤツですか!」徐ろに立ち上がって寿司のあるテーブルのところへ来ようとしたGM_Gazzaだったが、
「……! あ……う……」

そのまま足を押さえて床に倒れこむ。ぼくを始め、GMたちもエンジニアも、フロアの床で足を押さえて苦悶の表情のGM_Gazzaの姿に呆気にとられつつ、すぐ状況を理解して騒然となり……

「おい! 大丈夫かよ! 誰か、病院に連れて行け! タクシー使っていいから!」

(気が向いたら、続きを書きます)

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